銀行などの金融機関が投資家に合った戦略やポートフォリオを提案し、結ばれた投資一任契約に基づいて金融機関が投資家に代わって資産運用を行うサービスをラップ口座といいます。投資のプロに資産運用をしてもらえるというメリットがあるものの、最低数千万円～数億円以上かかるため富裕層以外にはなかなか手の出しにくいサービスです。より間口を広げるためのライト版ラップ口座ともいえるのが、投資対象を投資信託に絞る代わりに数百万円から始められるファンドラップです。
ファンドラップは自分の投資への考え方や現在の状況に合わせて自動的に資産運用を行ってもらえます。「投資に対してとれるリスクの範囲」「運用資金の性質」「ファンドラップに預ける資産とその他の資産状況」などを調査して投資家がとれるリスクを決定。そのリスクを分散した上で、リターンが出来るだけ高くなるようなポートフォリオを組みます。リスクに対する考え方だけでなく、年齢や家族構成、収入によってとれるリスクの大きさは変わってきます。これらの調査を事前にしてもらえるのは大きなメリットといっていいでしょう。
ファンドラップの中でも安定的に運用できると評判なのが三井住友信託銀行のサービス。ヘッジファンドの他、不動産投資信託やコモディティなどを組み合わせたポートフォリオを作成可能です。ヘッジファンドは通常、市場全体や他の資産とは異なる動きをします。その特性を活かし、ポートフォリオ全体のリターンの安定化、またさらなる上乗せを期待して組み入れることができます。そして、プロフィットロック(利益確定機能)やロスカット(損失拡大防止機能)を自分で設定できるので、投資対象の時価変動が起きても利益確定のチャンスや損失確定のタイミングを逃してしまうことがありません。
投資信託を自分で購入する場合、しっかりと知識を身につけてからでないとローリスク志向でありながらハイリスクな商品に投資してしまうなど、自分の希望とかけ離れてしまうことが往々にしてあります。その点、ファンドラップは自分に合った投資対象をプロが選んでくれるため、大きな失敗をすることが少ないのも特徴的です。